(Jタウンネットより)
新国立競技場のデザイン案を含む「技術提案書」2案が発表された。設計者の名前は公表されていないが、A案は隈研吾氏(61)と大成建設ら、B案は伊東豊雄氏(74)と竹中工務店らが手がけたと報じられている。
日本を代表する建築家のふたり。手掛けた建造物は、全国各地に点在している。東京都内でもいくつかあるということで、隈氏と伊東氏の作品を「見比べられる」スポットを探してきた。
まずは「銀座2丁目交差点」へ
まずJタウンネット編集部が向かったのは、銀座2丁目交差点。言わずと知れた、日本屈指の一等地だ。シャネルを背にして銀座一丁目駅方向を向くと、左手の先には伊東氏デザインの「MIKIMOTO GINZA 2」が、正面右よりには隈氏デザインの「ティファニー銀座」が目に入る。
2005年完成の「MIKIMOTO GINZA 2」は、ジュエリー店「ミキモト」の銀座2丁目本店。銀座4丁目の「ミキモト本店」が建て替え工事中のため、その間「本店」の名を守っている店舗だ。穴があいたようなデザインが特徴的な建物。くしくも今回、伊東氏のライバルになった大成建設との合作らしい。
隈氏の「ティファニー銀座」は、2008年の完成。けっして平らではない壁面パネルが特徴的で、太陽光や空模様をきらびやかに反射させる。なお手前の建物は、老舗文具店の「伊東屋(ito-ya)」。なにか因縁を感じさせる。
表参道は「歩道橋」から一望できる
銀座より簡単に見比べられる場所がある。それは表参道だ。東京メトロのB4出口をあがると、すぐに隈氏による「One表参道」が姿を見せる。2003年完成の建物には、LVMH(モエヘネシー・ルイヴィトン)の各ブランドが入居。表参道の並木と調和させるように、外壁に木材が使われているのが特徴だ。
そこから原宿駅方面に数十秒歩くと、伊東氏の「TOD’S表参道ビル」(2004年完成)が見える。イタリアの靴・バッグブランド「TOD’S(トッズ)」が入っていて、こちらは今回タッグを組んだとされる竹中工務店の施工だ。
この両ビルを一望できる場所がある。TOD’S前にある「神宮前第2歩道橋」だ。少し首を動かすだけで、隈氏と伊東氏の作品を見比べられる。なお12月25日までは、表参道のイルミネーションのため、16時以降の横断に制限が出るので要注意だ。
歩道橋からのパノラマ写真
総工費1500億円といわれる、今回の「技術提案書」2案。多額の税金が投じられるからには、やはり納得のいくデザインに決まってほしい。国民はデザイン決定過程に関与できないが、「こんなビルを作っているんだ!」と知ることは重要なはず。そんな時には、銀座や表参道にくり出してみよう。
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