「首都圏戸建持家の相続についてのインターネット調査」結果を公表/ランドマーク税理士法人
首都圏にある一戸建ての実家、相続させるつもりの親は60.2%、相続するつもりの子は36.1%
ランドマーク税理士法人が、首都圏に一戸建ての持ち家がある親(60代・70代以上)と子ども(30代~50代)に調査をしたところ、実家を「相続させる」側の親のほうは、60.2%が相続させるつもりでいるのに対し、実家を「相続する」側の子どものほうは、36.1%しか相続するつもりがないという結果になった。
また、すでに「相続しない」つもりでいる子どもも20.1%いて、実家の相続については親子間で意識に大きな違いがあることが浮き彫りになった。
相続した後の実家をどう活用するかを聞いたところ、親たちは「子どもに住んでほしい」と46.8%が思っており、どう活用するかは「子どもに任せる」が35.1%に達した。
子どものほうでも、「自分たちが住む」つもりが51.2%と最も多いが、「売却」するが17.0%、何らかの形で「賃貸」するが12.1%、「まだ考えていない」が18.4%だった。
さらに相続する子どものほうには、「相続税はどうなるのか」、「兄弟姉妹間でもめないか」、「実家の資産価値はどの程度か」、「維持管理費や税金はどの程度か」など、いろいろな不安があるようだ。
実家の相続について、話し合っていない親子が72.8%。早すぎることはない
では、親子間のギャップはどのように埋めたらよいのだろうか?
仕事上のことであれば、「正確な情報の把握」や「課題の共有」などが考えられるが、親子間ではなかなかそうもいかないようだ。
実家の相続について親子間で話しているかについては、子どもや親の年齢が高くなるほど話し合う割合は高くなるものの、全体平均では27.2%しか話しておらず、72.8%は話をしていないと回答している。
親子間で話をしない理由をフリーアンサーで回答してもらったところ、親子ともに、「相続の話はまだ早い」「なんとなく」という声が多かったという。特に、親のほうで時期尚早という声が目立つ。
ところが、実際に相続となった場合、相続する側には、兄弟姉妹間の分割協議や相続税の納税、売却までの維持費の支払い、活用する際のリフォーム費用の捻出など、検討すべきことが山積みだ。しかも、相続税の納付期限は10カ月以内とかなり短い。あらかじめ親の意向を確認できなかったことで、協議が進まないということもあるかもしれない。
そうなってから、もっと早くきちんと話し合っておけばよかったと思っても、後の祭り。たしかに、親には長生きしてほしいものだ。相続の話題は、話しづらいし、切り出すきっかけも見つけづらいだろう。
今のように、何が起きるか予測できないと感じる時期であれば、万一の場合に備えて、「介護が必要になったときにどんな介護を考えているのか」、「自宅はどうしたいのか」などを親子で話し合うチャンスかもしれない。
「外出自粛」、「Stay Home」になってから、家の中の荷物整理をする人が多くなり、ゴミの量が増えているという話がニュースになった。家族が家にいる時間が増えて、家族関係を見直す機会が生まれたという家庭も多いと聞く。家族や家庭の課題整理が進む今こそ、実家の相続問題にも目を向けてはいかがだろう。