土地の測量、ちゃんと測ってないと税金を払いすぎているかも!?

土地の測量、ちゃんと測ってないと税金を払いすぎているかも!?

写真:PIXTA

隣の土地との境界が曖昧な土地や、ずれていて登記上と違う面積になっている土地は、売買や相続の際などにさまざまなトラブルを招く。また、隣の土地の所有者ともめごとになったり、税金を多く払っていたりということも。そんなトラブルを防ぐにはどうすればいいのだろう。札幌土地家屋調査士会副会長の小川和紀さんに話を聞いた。

登記されている面積よりも、実際の土地が狭かった、ということも

土地の四隅などに打ち込まれた、コンクリートや石などでできた四角い杭を見たことがあるだろう。これは「境界標」といって、隣地との境界を示すもの。きちんと測量され、正しく境界標が置かれている土地は、登記簿に記載されている面積と同じ面積で、法務局に地積測量図(登記申請を行う際に土地所有者が法務局に提出する図面。その土地の形状や面積などが記載されている)があればその内容とも一致する。ところが、土地を売ったり買ったり、相続して兄弟姉妹などで分けたりする際に測量してみると、境界標の位置が図面(地積測量図)とは違うことがよくあるという。

「最初から誤って設置されている場合や、道路工事やお隣の塀工事、地震などでずれてしまうことがあります。また、境界標がなく、隣地との境界が不明になっているケースもあります」(小川さん)
実際の境界と登記上の境界が違うため、例えば300m2だと思っていた自分の土地が実際には280 m2しかなかったということも。また、境界標が隣地側にずれているため、知らずに隣の土地にかかる場所に物置や車庫を建てていたなど、隣家とのトラブルの原因になることもある。

【画像1】境界標は土地の四隅など境界を示す場所に打ち込まれる。材質や種類はさまざま(筆者作成)

【画像1】境界標は土地の四隅など境界を示す場所に打ち込まれる。材質や種類はさまざま(筆者作成)

実際の土地にかかるはずの税額より多く納税しているケースも

土地を所有している人に課税される固定資産税や都市計画税、相続した人に課税される相続税は、土地登記記録をもとに課税される。境界標がずれていて、実際に敷地として使っている土地面積は登記上の面積よりも小さい場合でも、登記上の面積で課税されるため、課税額が大きくなってしまう。測量を行って、登記の内容を実測面積に変更する地積更正登記という手続きを行うことはできるが、過去に納めた税金は残念ながら戻ってこないのだそう。

また、購入した土地がきちんと測量されておらず、実際の面積が登記されている面積よりも小さい場合、割高な価格で購入しているというケースもある。

「将来的に土地の売買や相続が発生する場合、測量をきちんとしているかが曖昧なら、きちんと測量しておくとトラブルの防止につながるので安心です。土地を買う場合は、不動産仲介会社に相談を。すでに所有している土地の測量は、地元の土地家屋調査士会に問い合わせれば紹介してもらえます」(小川さん)

測量にはいくらかかる? 無料相談も活用しよう

土地の測量を依頼する場合、費用はどれくらいかかるのだろう。
「地域や土地の形状、大きさなどで違うため一概にはいえませんが、一般の住宅の敷地であれば50万円以内に納まるでしょう。測量を依頼する場合は、事前に費用の見積もりをとることをおすすめします」(小川さん)

そのほか、土地の境界などに不安や不明点があれば、まずは、法務局や市役所などで行われる無料相談会で相談してみるのもひとつの方法。7月31日の「土地家屋調査士の日」にちなんで、この前後の時期に土地家屋調査士会の無料相談会が開かれる地域も多いので活用したい。

不動産は高額な財産。特に自宅のある土地は生活の拠点となる場所だ。管理を人任せにせず、自分で守る意識が重要。きちんと測量をした土地でも、その後、境界標のずれや紛失がないよう、定期的に自分の目で確認することが大切だ。

●取材協力
札幌土地家屋調査士会
引用元: suumo.jp/journal

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