土地利用基本計画制度に関する検討会(委員長:中出文平長岡技術科学大学副学長)の第1回目の会合が28日、国土交通省で開催された。
人口減少社会の到来による土地開発圧力の低下や巨大災害発生リスクの高まりなどの課題を受け、2015年8月に閣議決定された第5次国土利用計画(全国計画)ではその対応措置の一つとして、土地利用基本計画を通じた土地利用の総合調整の積極的な実施が盛り込まれた。また現行の土地利用基本計画の運用において、都市地域等5地域を総合調整する機能が形骸化している例なども散見され、社会情勢の変化を踏まえて制度のあり方を見直すべきとの意見もあることから設置されたもの。土地利用基本計画の制度・運用の今後のあり方を検討していく。
第1回会合では、国土交通省担当者が土地利用基本計画制度の成り立ちや概要について説明した後、人口減少が進むことで発生している耕作放棄地や空き家の発生といった課題、その解消に向けた実例などにいて紹介。
さらに新潟県、栃木県、兵庫県の担当者が、それぞれの自治体における土地利用場の課題、利用調整の現状などを説明。要望については、いずれの自治体も、計画図の変更協議制度の形骸化や地方の自主性を尊重した制度への改正の必要性について伝えた。
それを踏まえて出席した委員が、人口減少下における都市、農地、森林、農山村まで横断的に取り組むべき課題や、土地利用の総合調整機能について討議。「国、都道府県、市町村の役割の明確化が必要」「開発抑制主体からの転換を図り、適切な利用促進が図られる制度にしていくこと。それには、防災、環境、景観という観点も含めて検討していく必要がある」など、さまざまな意見を述べた。
次回は3月に開催予定で、総合的な土地利用調整の観点から、制度の改善すべき点などについて議論を進める予定。
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