住宅取得の最大の不安は「無理のない資金計画」! どう考えればいい?

住宅取得の最大の不安は「無理のない資金計画」!どう考えればいい?

写真/PIXTA

ハイアス・アンド・カンパニーの「住宅購入に関する消費者調査」によると、マイホーム取得の意向があるのに不安を感じている人の最大の不安が、「無理のない返済計画を立てられるか分からない」だった。では、無理なく返済できる資金計画とは、どう考えたらよいのだろう? ファイナンシャルプランナーの資格をもつ筆者と一緒に考えていこう。
【今週の住活トピック】
「住宅購入に関する消費者調査」を実施/ハイアス・アンド・カンパニー

住宅取得にあたって感じる不安は、「無理のない返済計画を立てられるか」

この調査は、持ち家ではない20代~40代を対象に、マイホーム取得にあたっての不安などを聞いたもの。マイホーム取得の意向がある人の約9割が不安を感じると回答しており、不安の具体的な内容としては「無理のない返済計画が立てられるか」(59.3%)が最多で、「必要な自己資金を用意できるか」(47.9%)が続いた(画像1参照)。

【画像1】マイホーム取得にあたっての不安の具体的な内容は何ですか? (出典/ハイアス・アンド・カンパニー「住宅購入に関する消費者調査」)

【画像1】マイホーム取得にあたっての不安の具体的な内容は何ですか? (出典/ハイアス・アンド・カンパニー「住宅購入に関する消費者調査」)

特に、「無理のない返済計画を立てられるか」については、「マイホーム取得の活動・計画を具体的に進めるにあたって、困難で特に重要だと思うこと」や「住宅取得の不安の解消法や計画・活動を進めるために住宅会社や不動産会社に求めるもの」といった質問の回答でも、約5割とトップを占めている。

今の家計から無理なく住宅ローンに回せる金額を割り出そう

無理なく返済できる資金計画は、住宅ローンを借りて住宅を取得する場合は重要な課題だ。特に、今のような超低金利のときには、返済額の利息分が多くなる高金利のときと比べると、より多く借りることができる。ただし、借りられる額と無理なく返せる額は別物だ。

金融機関は一般的に、返済額が占める年収比率を重視する。年収によっても異なるが、例えば年収が500万円なら35%くらい、つまり175万円までの年間返済額なら返済可能と見るわけだ。

でも、たとえ同じ年収でも家族構成や家計の内訳、年収が上昇する見込みの有無などによって、無理なく返済できる額は変わる。そこで、まずは今の家計でどの程度住宅ローンに回せそうかを試算してみるのがよいだろう。

■毎月返済できる額の計算例
毎月返済できる額
=今の家賃や駐車場代等+住宅取得のための積立金-住宅取得で増加する可能性のある支出

上記のように、今の家賃をベースに考えるが、駐車場・駐輪場使用の有無(マンションの場合、通常の駐車場より駐車場使用料は安く設定されているが、駐輪場の使用料は生じる)、管理費等の差(マンションの場合、賃貸の共益費より管理費や修繕積立金は高くなる)なども考慮したい。また、住宅を取得すると固定資産税などの税金を納める必要があるので、検討している物件があればこれらの額を当てはめて試算するのもいいだろう。

見落としがちだが、取得する住宅が前より広くなる場合は水道光熱費も増加する。住宅取得によって増加する可能性のある支出には注意が必要だ。逆に、これまでの家計に無駄な支出、無目的な支出があれば、これを機会にお金の使い方を見直すのもいいだろう。ただし、子育て世帯なら教育費の積立金は忘れずに確保しよう。

また、ボーナスの一部を住宅ローンの返済に充てる方法もあるが、ボーナスは経済情勢に左右されること、ボーナスが最後の砦になる場合も多いことなどから、確実に回せる額にするなど慎重に判断したい。

住宅ローンの金利選びにも注意を!

おおよその毎月返済できる額を割り出したら、いくら程度借りられるのか不動産会社に試算してもらおう。管理費・修繕積立金(一戸建ての場合もメンテナンス費用の積み立てが必要なので目安を確認)や駐車場などの毎月の支出、固定資産税の納税額なども見込むように依頼すれば、自分で計算しなくても不動産会社で資金計画を立ててくれる。

注意したいのは、不動産会社が試算する資金計画は、最も多く借りられるように、最長の返済期間、最低の金利タイプで試算することが多いことだ。返済期間でいえば、例えば45歳で購入するのに返済期間が35年の前提で問題がないか。金利タイプでいえば、最低の金利のタイプは変動型や当初3年など短い期間だけ金利が固定されるものになるので、返済中に金利が上がって毎月の返済額が増加しても無理がないか、などを考えたい。

特に、家計に余裕がない、年収が低めといった場合は、目先の金利は少し高めでも長期間金利を固定するタイプを選んだほうが安全なので、【フラット35】などの全期間固定型のローンの場合で資金計画を立てるように不動産会社に依頼しよう。

このように、毎月やボーナス時にローン返済に充てられる金額を出し、希望する返済期間や金利を固定したい期間などを伝えれば、不動産会社などが資金計画をパソコンで何度でも試算してくれる。希望通りではあまり借りられないからと無理に変動型を進めたり、返済額を増やしたりするようであれば、そうした不動産会社から購入すること自体を見直したほうがいいかもしれない。

住宅ローンを借りると団体信用生命保険に加入するので、これまでの生命保険料を圧縮できるといったこともあるが、無駄な支出がよく分からない、見直すポイントがよく分からないという場合は、不動産会社などでは無料のファイナンシャルプランナーによる相談会を行っているので、そうした場を利用して相談してみるといいだろう。

不安は抱えているだけでは解消しない。不動産会社などを利用して、積極的に不安を解消する姿勢がカギになるだろう。

引用元: suumo.jp/journal

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