「住みたい街(駅)ランキング」、新駅ビルが2025年春に完成予定の広島駅が1位に!
「住みたい街(駅)ランキング」で、2位以下に大差をつけて1位になったのは広島駅。現在、駅ビル及び駅前広場の工事が行われており、2025年には新駅ビルがお目見え予定だ。2階部分に広島電鉄の路面電車が高架で乗り入れる計画で、それに伴って駅前大橋を直進する新たな鉄道路線も整備中。完成後には駅前の風景は大きく様変わりしそうだ。
広島駅はJRの山陽新幹線と山陽本線、可部線、芸備線、さらには広島電鉄の各路線が乗り入れるターミナル。広島空港方面へのリムジンバスを始め、各方面への高速バスや路線バスの起点でもあり、駅の北側には、山陽自動車道に接続する広島高速5号線の整備も進む。まさに広島の陸の玄関口だ。
さらに、駅前の「エールエールA館」には中央図書館の移転計画があり、駅東側のフタバ図書跡地にはアパホテルによる高層ホテル、駅の北側では住友不動産ほかによるマンションや商業施設などの複合施設の計画も発表されている。新駅ビルにはホテルやシネコン、商業施設や駐車場なども予定されており、広島駅周辺の暮らしはますます充実したものになりそうだ。
天神川や五日市など、商業施設が充実した街がランクアップ
2位は広島県第2の都市である福山の中心駅・福山駅、3位は複数の鉄道路線やバスターミナルを要する横川駅で、広島駅同様、前回ランキングからの変化はない。4位以下を見てみても、顔ぶれには大きな変化はないが、そんな中でも、「天神川」は5位から4位、「尾道」は7位から6位、「五日市」は10位から8位に順位を上げている。
4位の天神川駅は広島駅の隣駅で、自治体サービスや子育て施設の充実などでも注目度の高い、安芸郡府中町の入口となる駅。街の中心部には路面店の商業施設も多いほか、駅から歩いて行ける場所に、広島県内最大級の規模となるイオンモール広島府中があるのも人気の理由のひとつだろう。
6位の尾道は広島の人気観光地のひとつで、尾道水道を見下ろす傾斜地に広がる坂の街。移住者の受け入れにも力を入れており、県内外からの移住者が、古い建物をリノベーションして新たな店を開くケースも多い。近年はしまなみ海道を目指すサイクリストの拠点としても有名で、サイクリスト向けのホテルを備えた商業施設も人気を集めている。「住んでみたい」という気持ちを刺激する、個性のある街だ。
8位の五日市駅は広島市佐伯区の中心駅で、広島駅までは山陽本線で15分。広島造幣局前のコイン通りや国道2号線沿いなど、エリア内にはスーパーや飲食店など商業施設が充実し、石内地区のアウトレットモールや、西区のアルパーク、LECTといった大型ショッピングモールも利用圏。八幡川沿いの豊かな自然も身近にあり、利便性と環境のよさが共存する、暮らしやすい街だ。
このほか、20位までにランクインしている新井口や廿日市、下祗園、緑井なども、大規模な商業施設が存在するエリア。日々の買い物のしやすさがイメージできることが、住みたいと感じるベースのひとつになっているようだ。
「住みたい自治体ランキング」では、再開発が加速する「広島市中区」が1位に
「住みたい自治体」のランキングを見てみると、広島市中区がダントツの1位に。そのほか、ランキング上位の自治体の顔ぶれは、前回調査から大きな変化は見られない。
広島市中区は、行政機関や商業施設が集中する、広島の最中心部となるエリアだ。なかでも、紙屋町・八丁堀エリアは国が定める「都市再生緊急整備地域」に指定され、戦後以来の老朽化したビルの建て替えや、周辺の再開発が加速している。
基町の市営駐車場周辺では、広島商工会議所の移転に伴い、地上31階となる複合ビルが計画されている。広島YMCA周辺でもビル3棟の再開発、本通り商店街の入口付近でも、商店街を挟んで南北に2棟のビルを建てる計画が上がるなど、ビル開発の話題は尽きない。
広島サンモール周辺や、天満屋八丁堀ビルや広島三越を含むエリアの再開発、この夏に閉館するそごう広島店新館のその跡等、歴史ある商業施設にも再開発の動きがあり、市内中心部はこの後も大きく姿を変えていくことになりそうだ。
新サッカースタジアムが2024年開業! 街なかでの過ごし方に変化も
さらに、今広島の人の大きな関心の的となっているのは、中区基町エリアで工事が進む、新しいサッカースタジアムだろう。広島東洋カープが新スタジアムの建設後に大きく人気を伸ばした実績もあり、ワールドカップで熱を帯びたサッカー人気を加速し、サンフレッチェ広島の盛り上がりに期待する声は大きい。
スタジアムと併せて、隣接の広場エリアの整備や、旧太田川沿いの水辺活用なども計画されており、試合のある日だけでなく、普段から市民が気軽に利用できるスポットとして、注目が高まっている。
また、一足先に2023年3月には、旧広島市民球場跡地に、イベント広場を中心とする「ひろしまゲートパーク」がオープン。旧広島市民球場の記憶を継承しつつ、オープンエアでも楽しめるカフェや飲食店、ストリートスポーツを楽しめるエリアや、築山などで遊べるこどもひろば等も整備され、イベントのない日でも、気軽に出かけて気軽に遊ぶ、新しい外遊びのスタイルが定着しつつある。
さらに、広島城の三の丸エリアにも新たな商業施設の計画があり、これらの施設はペデストリアンデッキで繋がっていく。広島市中区に広がる、この中央公園周辺エリアが、広島の街なかの過ごし方に大きな影響を与えることは間違いなさそうだ。
変わりゆく街なかのの風景の中で、古い街並みの残るエリアに“穴場”イメージ
ランキングでは、交通利便性や生活利便性が高いのに家賃や物件価格が割安なイメージがある駅についても調査している。結果、1位となったのは横川駅。総合順位でも3位にランクインしている、交通アクセスのよい街だ。
利便性の良さの一方で、横川駅周辺には歴史ある商店街が今も存在しており、人情味のあるコミュニティが息づく。ハロウィンに行われる「ゾンビナイト」や、梯子酒イベント、川沿いのマルシェのように、商店街などが中心となって行われるイベントもあり、独自の文化が根付く街でもある。
駅の北側や、広瀬北町、中広町といった周辺エリアには、中心部に近い割にまだまだ古い建物も多く残る。まとまった土地の少ない広島の中心部にあって、宅地やマンション化などに余力を残しているイメージがあることも、“穴場”と考えられるポイントかもしれない。
同様に5位の海田市も、山陽本線または呉線の2路線利用ができ、広島から約9分の交通アクセスのよい駅。瀬野川沿いの美しい自然や、「かいた七夕さん」など街独自のお祭りもあり、西国街道沿いの古い街並みも面影を残している。隣接する安芸郡府中町で宅地などの流通が少なくなっているなか、暮らしやすく、宅地・住宅開発にポテンシャルを感じる街として、認知されているようだ。
2024年以降、続々と大きな開発案件が完成を迎える広島。交通利便性の向上や、買い物する楽しさ、外遊びの新たな可能性など、広島の街暮らしはより一層充実したものになりそうだ。一方で、大型ショッピングモールのある街など、日々の買い物のしやすさも「住みたい街」のポイント。宅地やマンション、一戸建てなどを検討する際は、開発の中心地から少しだけ離れたエリアまで範囲を広げることで、買い物の利便性を確保し、開発の恩恵を受けられる選択肢を増やして、住まい探しができるかもしれない。