空き地所有、「負担を感じたことがある」47.4%

6月8日、「平成29年度土地に関する動向」及び「平成30年度土地に関する基本的施策」(土地白書)が閣議決定され、国土交通省よりその要旨が公表された。本年のトピックとしては、明治期からの土地に関わる政策の変遷や、所有者不明土地問題を取り巻く国民の土地に関する意識についての考察等を取り上げている。

国土交通省「地価公示」により、平成30年1月1日時点における公示地価と1年前のものを比較した平成29年の地価動向をみると、全国の平均変動率では、住宅地が10年ぶりに上昇に転じ、商業地及び全用途については3年連続で上昇した。三大都市圏の平均変動率でみると、住宅地はわずかな上昇となる一方、商業地は上昇幅が拡大している。

地方圏の平均変動率では、住宅地は下落が続いているものの下落幅は縮小しており、商業地は26年ぶりに上昇に転じ、全用途平均でも下落を脱した。札幌市・仙台市・広島市・福岡市の4市平均でみると、住宅地・商業地ともに三大都市圏を上回る上昇を示している。

土地取引について、売買による所有権の移転登記の件数でその動向をみると、法務省「登記統計月報」によれば、平成29年の全国の土地取引件数は132万件となり、前年に比べると2.1%増となった。増加の内訳は、地方圏で約2万件、東京圏で約1万件。

空き地所有者へのアンケートにおいて、「所有することに負担を感じたことがありますか?」では、「負担を感じたことがある」と回答した者の割合は47.4%。また、所有する空き地の「管理の有無」については、「管理している」と回答した者の割合は67.1%だった。地目別にみると、当該土地が田畑である者では75.0%と割合が高いが、当該土地が山林である者では46.5%と低くなっており、管理されていない割合が高い。

所有に負担を感じたことがあると回答した空き地所有者に「その土地の所有権を手放したいか」について質問したところ、そのまま所有する意向を示した者が半数を超え、このうち利用の見込みの有無はほぼ同数であった。一方、「売れる見込みがあるから売却するつもり」、「売れる見込みはないが手放せるものなら手放したい」と回答した者の割合もそれぞれ22.3%、25.4%を占めた。

ニュース情報元:国土交通省

引用元: suumo.jp/journal

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